マニュアル本も手に入れた僕は、なんだかストイックな男になっていった。
それまで週4くらいで飲みに行っていたのに、一切行かなくなり、
終業後はまっすぐ帰宅して勉強。
土日は一日中ガストで、ドリンクバーで粘りながら勉強する、
という日々が続いていった。
前にも書いたけど、彼女にフラれたばっかりで、
他に時間の使い道がなかったのだ。
その頃主に使っていた参考書は、
英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができるという本。
英語の「音」を覚えて、「使える」ようになれば「聞こえる」ようになる、
というのが著者の主張。
これを毎朝、毎晩音読し続けた。
そのうち、用事があって音読出来ない日があったりすると、
気持ち悪くなるくらい習慣になっていった。
飲み会がある日は、いったん家に帰って音読をしてから飲みに行く、
なんてこともしていた。
当時は会社の横の独身寮に住んでいたのでこんなこともできた。
ストイックな日々は英語だけによってもたらされたものではなかった。
当時、社会人生活で酒浸りになっていた
僕の四肢は見事なまでにデブっていた。
春の健康診断では高脂血症という、ありがたい宣告も受けていた。
一つ言い訳をするなら、
「関西の食べ物が美味し過ぎた」のだ。
東京生まれ東京育ちの若造には、
粉もんやホルモンや串カツは美味過ぎた。
いや、ホントに食いまくってた。
それでも血液のことは自覚症状が無いのでほったらかしていた。
僕が本当に自分がデブだと悟ったのは、この年の夏。
友人と高知県の四万十川にキャンプに行ったときのこと。
最後の清流で、まわりに人がいないのを良いことに僕は真っ裸で泳いでいた。
とっても気持ち良く泳いでいた。
その様子を友人がカメラに収めていて、後日CD-Rに焼いてくれた。
夏の思い出を楽しもうとビール片手にパソコンを起動させ、読み込ませる。
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・「誰、この熊??」
スクリーンに映っていたのは、
小麦色に焼けたスイマーではなく、
遡上する鮭を狙って川にきたヒグマのようにでっぷりした僕だった。
ちょうどこんな感じ↓
「俺、こんなデブいんだ。。。」
その日からストイック生活にダイエットという項目が加わったのでした。
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